今季限りでの引退を表明している楽天川井貴志投手(40)が2日、コボスタ宮城で引退会見を行った。

 98年ドラフト3位でロッテ入りし、06年にトレードで楽天へ移籍。先発ローテの谷間を埋める働きから「困ったときのボブ」と呼ばれ、通算307試合に登板して28勝36敗。今季は5試合で0勝1敗、防御率8・22だった。「去年と今年と勝てていなかったので、チームの戦力になれていないと思った。25日の2軍最終戦で先発させてもらい、1イニングを全力で投げた時に、思うような球がいかなくなったので決断しました。1軍で登板できなかった08年からは、毎試合が引退試合だと思ってやってきた。後悔はないです」と引退の経緯を明かした。

 数多くの恩人と歩んだプロ18年間だった。ロッテ1年目は、今年4月に死去した山本功児氏が監督を務めていた。「僕はかなり怒られた方です。ブルペンでぐだぐだ投げていたら『がむしゃらに投げろ!』と言われたり。忘れられない。僕にとっての原点です」。移籍した楽天では、星野監督(現副会長)から「困ったときのボブ」という愛称を授かった。「シーズンを通して活躍したわけではないのに、自分の状態がいいときに呼んでもらい本当にありがたかった。13年の優勝の時も、たまたま前の日に1軍に上げてもらった。若いチームだったイーグルスの成長を見られた僕は幸せ者です」と感謝した。