仙台大が6-4で東北福祉大に勝利。通算最多安打の記録更新にあと1本と迫っていた仙台大・松本桃太郎三塁手(4年=北海)が3回に右翼線二塁打を放ち、通算115安打のリーグ新をマークした。25年ぶり記録更新に勢いづいたチームは、6点を奪い、2投手の継投で逃げ切った。対戦成績を1勝1敗にし、今日3日の3戦勝負に持ち込んだ。

 仙台大の松本が、自身リーグ16個目になる記念球を手にして笑顔を見せた。過去15個はすべて本塁打で獲得したもの。前日1日に通算114本の安打記録に並び、この日、25年ぶりにリーグ記録を塗り替えた松本は「素直にうれしい。勝てたことが一番でかい」とチーム勝利を何より喜んだ。

 3回表1死一塁の第2打席。カウント3ボール1ストライクから甘く入ってきたスライダーをフルスイングで右翼線にはじき返した。「切れないでくれ」と祈りながら一気に二塁を奪った後は、割れんばかりの「桃太郎コール」。「おめでとう」の祝福に加え、「桃太郎さん、桃太郎さん」で始まる童謡合唱が響き渡った。1年春のチーム開幕戦でリーグデビュー。通算377席目で快挙を達成した。松本は「大歓声で気分がよかった」と笑顔。入学直後から先発起用してきた森本吉謙監督(42)は「代える必要のないまま、ここまで来た。安打の数よりフルイニング出場。ケガもなく体を維持した結果」と松本をたたえた。前日、北海道から応援に駆け付けた父喜道(よしのり)さん(46)も息子の晴れ姿を見守っていた。

 記録達成後の3打席目はフルカウントから5球、4打席目もフルカウントから3球粘って四球出塁。それぞれ後続の適時打でホームを踏んだ。今季は「ボールを長く見ること」を徹底。「ボールがよく見える」と自信を持って打席に立ち続けている。優勝の行方を占う今日3日の3戦勝負に向けて、松本は「勝たなければ意味がない。今日は打線が線になった。明日も線で戦いたい」とさらなる通算安打記録更新を誓った。【佐々木雄高】