エースで先手必勝だ。ロッテは7日、ヤフオクドームで前日練習を行った。伊東監督は第1戦先発に涌井を指名。「彼の経験値を買って、良い投球を望んでいます」と期待を寄せた。今季の成績(10勝、防御率3・01)だけなら、石川(14勝、同2・16)が上。それでも、迷わなかった。

 「CSは独特の雰囲気、緊張感がある」と指揮官。第1戦となれば、緊張感はさらに増す。それでも、平常心で臨めるのが涌井の強みだ。西武時代を含め、CS、日本シリーズは通算12試合で4勝1敗、防御率1・73。レギュラーシーズン以上の安定感を発揮する。練習を終えた涌井は「緊張しないことはないけど、持っている力を出せばいい。普通に朝起きて、ユニホームを着て、野球をすればいい」と、サラリと言った。

 レギュラーシーズンは最後に4試合連続で初回に失点。立ち上がりがカギとなりそうだが「シーズンでも、初回から飛ばしてないわけじゃない」と不安を一蹴。さらに、今回がポストシーズン初先発のソフトバンク千賀を念頭に「CSで何試合も投げているので、気持ちの余裕がある。分はある」と言い切った。経験豊富な右腕で頭を取る。【古川真弥】