広島ジョンソンが、6回2/3を123球の熱投で1失点に抑え、日本ハム大谷に投げ勝った。

 1回は不運な当たりが重なりピンチを招いた。3回は中島を追い込みながら6球ファウルで粘られ四球を許した。3点リードの7回はレアードにソロを浴び、厳しい判定もあった。「今年残り2試合の1つなので、うまく入っていくためにいろいろな意味で慎重になった」。7回途中まで3者凡退は1度のみ。毎回のように走者を進めながら、最後まで冷静さを保った。

 来日当初はストライクゾーンの違いに戸惑い、味方のミスにもいら立ちをあらわにした。マウンドでみせる隙は相手だけでなく、味方にも影響。だが、前田(現ドジャース)が抜けた今季、畝投手コーチは「お前がチームの“エース”なんだ」と言い続けた。チームの勝敗だけでなく、マウンドでの立ち居振る舞いにも注文をつけた。「マウンドでの姿も周りは見ている」。成績だけでなく、姿でナインを鼓舞。この日も厳しい判定や不運な安打、相手の粘りにも屈しなかった。

 来日2年目にエースとなった左腕が、完封勝利のCSに続いて、日本シリーズでも、チームに勢いをもたらした。【前原淳】

 ▼25年ぶりにシリーズへ出場した広島が第1戦に勝利。これまで広島の第1戦は75年△、79年●、80年●、84年○、86年△、91年●で、第1戦の白星は日本一になった84年以来、32年ぶり2度目だ(75年は第1戦△、第2戦●、86年は第1戦△、第2戦○)。勝利投手は先発のジョンソン。第1戦で先発勝利の外国人投手は14年メッセンジャー(阪神)以来5人、6度目。広島は84年第1戦の勝利投手がリリーフの小林で、「シリーズ開幕投手」が白星を挙げたのは球団史上初めてだ。なお、過去66度のシリーズで△○を含め先勝したチームは42度優勝しており、V確率は64%。