辻改革は足元から。秋季キャンプのため4日に宮崎・南郷入りした西武が、宿舎内でのスリッパ、サンダル歩きを禁止した。辻発彦監督(58)は就任後初のキャンプに向け「皿が落ちてきたり、何かにぶつかってツメが割れたり、何があるか分からない」と説明。これまでは食事会場などでも「つっかけ履き」が許可されていたが、今後はアップシューズなどの靴を着用させる。

 チーム最大の課題である守備。その改善を託された指揮官は「足元の大事さ」を強調する。合宿地入りのため降り立った宮崎空港でも「キャッチボールもダッシュも、1歩目が大事」「守備はボールを受けてはいけない。足を使って、前に出ないと」と繰り返した。

 キャンプでも、練習の中でそれを徹底させる考え。「アクシデントで練習できないなんてことは、あっちゃいけない。防げることはしっかり防ごうということ」。西武黄金期の現役時代は、宿舎内でも各選手が靴を着用していたという。

 勝負は細部に宿る。リードオフマンとして、西武を6度の日本一に導いた勝負師は、そう心得る。チームの現状を「物足りないことはないが、細かな部分が。特別じゃない。当たり前の事を当たり前にできるように」とみる。宿舎内での履物も、大事な「細部」だ。高く飛び上がるためには、まず足元を見つめ直せ。飛躍を目指す初のキャンプで、辻監督が本気の改革を推し進める。【塩畑大輔】