9番に入った秋山翔吾外野手(28)がいずれもチームトップの3安打4打点をたたき出した。まずは2回1死二塁、「しつこく食らいついていこうと思った」と追い込まれてからカーブを左翼手後方へ。5回に2死満塁から押し出し四球を選ぶと、7回には再び左越え適時二塁打。8回も中前適時打をマークし、5打席中4打席で追加点を挙げた。

 前夜、下位打線は2安打のみ。秋山も2番で3打数無安打に沈み、メキシコに完敗した。「ファンの皆さんにも、他のチームからも『日本は強い』と思われている。その緊張感で試合に出させてもらう以上、勝ちにつながるプレーをしなきゃいけない」。侍ジャパンのプライドを胸に、全体集合より2時間早く球場入り。ブルペンで1人黙々とスイングし、迷いごと振り払った。

 4番中田、5番筒香以外をシャッフルする大幅な打線組み替えで、つなぎの9番に徹した。守備では5回から、シーズン中は守らない右翼もこなした。「できると思われているから使われる。国際大会にも対応できると思われて呼ばれている。求められるポジションができなければ、自分の幅を狭めてしまう」。強き日本に、不可欠な選手でありたい。一本気な心意気が、チームジャパンを勢いづけた。【鎌田良美】