ヤクルト期待のサウスポーが、マー君のような「負けない投手」を目指す。ヤクルトからドラフト1位指名された履正社(大阪)寺島成輝投手(18)が29日、大阪市内で入団交渉に臨み、契約金1億円プラス出来高払い、年俸1200万円(金額は推定)で仮契約を交わした。背番号はエースナンバー「18」に決定。自身が思い描くエース像は「負けない投手」と言った。

 楽天で背番号「18」を背負った田中将大投手(現ヤンキース)は、13年にシーズン24連勝を飾り、海を渡った。「負けないのは理想。特に(楽天が)日本一を決めた試合で、最後に出てきた気迫は本当にすごいなと思った」と心を震わせた。ヤクルトの高卒投手が「18」を背負うのは、77年の「サッシー」酒井圭一氏以来40年ぶりで、高卒新人に出来高払いが付くのは08年入団の由規以来になった。

 鳥原チーフスカウトは「大学、社会人を含めて左ではNO・1の評価。高卒というより即戦力。10勝してくれたら、優勝の可能性が強くなる」と大きな期待を寄せた。高卒1年目の左腕が2ケタ勝利を挙げれば、67年の江夏豊氏(当時阪神)以来50年ぶり。寺島は「一番自信のあるストレートを前面に出していきたい」と、世代NO・1にふさわしいビッグな記録を追い求めていく。【前田祐輔】