14年の甲子園ベスト4右腕で、プロ2年目を終えたDeNA飯塚悟史投手(20=日本文理出)が来季の1軍初勝利を誓った。4日にハードオフエコスタジアム(新潟市)で行われた野球教室で講師を務め、この後はDeNAのファーム施設がある神奈川・横須賀市で自主トレに励む予定。気持ちはすでに、3年目を迎える来季に向いている。

 リラックスするひまも惜しい。「来年は1月2日から始動するつもりです」。DeNA飯塚のオフは、自主トレで忙しい。

 4日に広島今井、巨人を自由契約になった加藤健捕手(35)らとともに、少年野球教室に参加。その日のうちに上越市の実家に戻ったが、のんびりするのは数日間のみ。「天候を考えると、横須賀でトレーニングをした方がいい」。年内は合宿所が年末年始休暇で閉鎖されるまで、ファーム施設でウエートトレーニングを中心に、体を動かすつもりだ。

 3年目の来季にかける思いは強い。「まだ1軍で投げることができていない。来年はまず、1軍での1勝が目標です」。今季は2軍で先発ローテーション入りし、15試合登板で6勝7敗、防御率3・52。フレッシュオールスター(7月14日)にも出場した。「球数が少なく、テンポよく投げるのが自分の形」。甲子園で4強入りした日本文理時代からの実戦的なスタイルに、自信を深めた。

 それだけに、クライマックスシリーズに進出した1軍のベンチに入れなかったことが悔しかった。「2軍で投げるためにプロに入ったわけではないです。優勝を争う中で投げないと」。その環境が身近にあることを感じ、負けず嫌いに火がついた。

 今季限りで引退し三浦大輔投手(42)からは「ケガだけは絶対にするな」と激励された。昨年、右ひじを手術。今季は夏場に疲労を感じることはあったが、もう痛みはない。毎日のケアも怠らない。野球教室の前日3日に食事をともにした加藤からは、「いろいろな選手を見るように」とのアドバイスをもらった。同期入団で今季9勝の石田健大(23)を例に挙げ、「球の精度の高さを見本にしたい」。先輩たちの言葉を真摯(しんし)に受けとめる。

 来季は7月4日にDeNA主催で、ハードオフエコスタジアムでの阪神戦が予定されている。プロ入り後、まだ実現していない凱旋(がいせん)登板もターゲットだ。「そのためにも、まず1軍です」。強い意思で準備を整える。【斎藤慎一郎】

 ◆飯塚悟史(いいづか・さとし)1996年(平8)10月11日生まれ、上越市出身。直江津中から日本文理に進学。13年夏、14年春、14年夏と3季連続甲子園に出場。エースとして13年の明治神宮大会では準優勝、14年夏の甲子園はベスト4に進出。3年夏はU18日本代表にも選出され、同アジア選手権に出場。14年のドラフト7位でDeNAに入団。まだ1軍登板はなく、2軍では2年間で通算20試合(19先発)に登板し7勝7敗、防御率3・09。188センチ、85キロ。右投げ左打ち。背番号30。