DeNA田中健二朗投手(27)が「CSボーナス」を含む2500万円アップを勝ち取った。7日、横浜市内の球団事務所で契約更改し年俸4300万円(推定)でサイン。今季61試合登板で23ホールド、防御率2・45に高い評価を受けた。アップ分の使い道は「物欲もないので自分の体に投資する。新しい練習器材を自分で購入して、見えないところで人よりも差をつけたい」と1年通して力を発揮できる地盤をつくる。

 球団史上初のクライマックスシリーズ(CS)巨人戦(10月10日)では、人生初のけん制球補殺を見せた。9回に快足を誇る鈴木尚広を一塁でけん制死。たった1球でサヨナラ負けから一転劇的勝ち越しへ流れを引き寄せた。ファイナルステージ進出に貢献したことで推定100万円の“けん制ボーナス”を獲得。「記憶に残るプレーができたことはよかった」と振り返った一芸は、地道な積み重ねに支えられる。

 ここ3年は巨人と優勝チームに自責点ゼロを誇る。14年にリーグを制した巨人には13年9月以降、15年のヤクルト、そして今季の広島に対して防御率0・00。「意識はまったくないですけど、いい数字はどんどん伸ばしていきたい。来年も継続していけるようにしたい」と田中健。オフは1人大阪でレベルアップに励む。直球とカーブにこだわる投球術に磨きを掛けて、プロ10年目の来季も記憶に残るプレーを続ける。【栗田成芳】