阪神の来春キャンプ(沖縄・宜野座)で、「社長-主将」のトップ会談が行われる可能性が浮上した。四藤慶一郎球団社長(56)が8日、兵庫・西宮市の球団事務所で取材に応じ、新主将に就任した福留孝介外野手(39)と話し合う場を設定する考えを明かした。選手と風通しのいい関係を構築し、チームの結束を固める。

 リーグ制覇の土台固めとなる春季キャンプで、異例のトップ会談が開催される可能性が出てきた。四藤球団社長が新主将との対話について聞かれると、前向きな姿勢を見せた。「スケジュールの調整は難しいかもしれないが、話したい気持ちはある。選手はどう考えているか、意見を聞いたりできれば…」。来年2月にキャンプを張る沖縄で「社長-主将」が膝を突き合わせてテーブルに着くプランだ。

 春、秋のキャンプで、球団社長はオーナーも交え、監督やコーチと定例で会食しているが、選手とじっくり話し合う場を持つことはあまりない。契約更改の場に立ち会うことも少なく、また特定の選手と会食するのも立場上、難しい。特に四藤球団社長は昨年11月に就任したばかり。「監督やコーチとはあるが、なかなか選手と話す機会はない」と言う。しかし主将という選手を代表する肩書があれば、会談をセッティングしやすい。

 2年目を迎える金本阪神は、5年間務めた鳥谷から福留に主将を交代。今オフには糸井のFA補強に成功し、リーグ制覇に着々と準備を進めている。また福留はメジャー挑戦を含め、経験は豊富。チームメートに対しても、教育係を辞さない姿勢で正面から向き合ってきた。4年の在籍でチームの精神的支柱になっている。球団にも選手側の意見を建設的に伝えられることは間違いない。フロント-監督を含めた首脳陣-選手の三位一体で結束を固めることが優勝への近道。異例のトップ会談は、その1歩となる。