ソフトバンク達川光男ヘッドコーチ(61)が17日、来季の日本ハム大谷封じを宣言した。「ちょっとやられすぎ。でも大谷は完全に丸裸にしている」。今季ホークスは大谷にチーム別最多の9本塁打を献上するなど、投手大谷だけでなく、打者大谷に苦しめられた。だが、今オフ加入の達川ヘッドは不敵な笑みを浮かべながら、秘策を披露するなど自信たっぷりだ。

 1つは内角攻め。速球は内角高めを軸に集め、スライダーで足元を攻める。達川ヘッドはドジャース前田が左打者にスライダーを投げる際、打者の左足を狙って投げていることに触れ「そうすれば死球にもならないし、参考にしてほしい」。もう1つは日本シリーズで広島黒田が投げていたスプリットだといい「大谷は来た球を本能だけで打っている。落ちるボールに非常に弱い」と分析した。

 ホークスは今季、日本ハムに9勝15敗1分けと大きく負け越したことがV逸の最大の原因。なかでも大谷には打率4割1分1厘も打ち込まれた。達川コーチは「あとは投手がしっかり投げられるかどうか」。受けた死球が今季1つしかない大谷に対し、自軍投手陣の内角への制球力が、封じ込めるカギを握ると踏んでいる。

 達川ヘッドの助言に、選手もすぐに反応した。今季日本ハム戦に先発した試合が2戦2敗だった岩崎は「大谷だけでなく、全員に厳しくしっかり投げていきたい」と大谷を含めた内角攻めでの逆襲を宣言。来季こそ弱点を突き、打者大谷を黙らせる。【福岡吉央】

 ◆今季のソフトバンク投手陣の大谷痛恨打 ホークスは日本ハム大谷に打ち込まれており、痛恨の1発も多かった。5月17日にはバンデンハークが初回に先制2ランを打たれ、昨年から続いていたデビュー以来の連勝記録が14でストップ。7月3日には、ソフトバンク中田が「1番投手」で出場した大谷に決勝弾となる初球本塁打を浴びた。ホークスの優勝マジック点灯がかかった8月6日には千賀、嘉弥真の2人で1試合2発を許し、黒星を喫している。