サイドスロー侍はWBC球大歓迎だ。侍ジャパンに選ばれているヤクルト秋吉亮投手(27)が15日、神宮外苑で今年初めてブルペンに入った。WBC球で捕手を立たせたまま直球を20球。気温3・6度の悪条件にも「悪いボールもあったけど、いい球もあって、初めてのブルペンにしては良かったです」と満足そうな表情を浮かべた。

 多くの日本人投手が苦手とするWBC球だが、秋吉にとっては扱いやすい。「自分は(普段)真っすぐもスライダーも滑らせて投げている。投げたいところにしっかり投げられる。日本のボールはスライダーがカット(ボール)ぐらいになることもあるけど、これは曲がる」。むしろ「メジャーのはペトペトする」というロジンバッグを付け過ぎないようにするほど、球が手になじんでいる。

 右の横手投げは、侍唯一の選出だ。国際大会は「サイドスローの外のスライダーが有効だと思う。しっかりコントロールすれば武器になる」。公式戦でも外国人打者への有効性は確認していた。現段階で確固たる抑えは未定だが「言われたらやるだけ。8回も9回も投球内容は変えない」。変則右腕の貴重性は理解しており「抑え、中継ぎが仕事、右打者のワンポイントとも思っている。全試合投げる気でいないと」と、ジョーカー的な起用も辞さない。

 12月には国立スポーツ科学センターで、標高2000メートルに相当する低酸素室で自転車をこいだ。「体力も付くし、足腰が強化された」。体力増で、最多で10試合となる登板に対応するつもりだ。【斎藤直樹】