ヤクルトのドラフト2位、星知弥投手(22=明大)が8日、「火の玉ストレート」で周囲を仰天させた。今キャンプ2度目のブルペンで直球のみ35球。外角低めに構えた中村のミットに次々と速球をたたき込んだ。「外のラインを意識して投げられた。まずまずのボールだった」。阪神藤川に憧れる最速156キロ右腕は、確かな手応えをにじませた。

 6日の初ブルペンで守護神候補に浮上し、さらに評価を上げた。中村は「回転がきれいでスピン量も多い。威力はチーム1、2を争う」。押尾戦略コーチ兼投手コーチ補佐も「ダルビッシュ(レンジャーズ)や上原(カブス)は回転数が多いから活躍している。星も楽しみ」と期待を込めた。

 中学時代は最速125キロ。宇都宮工1年時に「右ひじを曲げた状態でトップをつくって、最短距離で投げたら急に球が速くなった」と目覚めた。藤川の動画も見て研究し、リリース時に100%の力を込めるフォームを習得。3年時に最速150キロまで伸ばした。「理想は初速と終速が変わらない球」という星が、開幕1軍へ向けて突っ走る。