【メサ(米アリゾナ州)8日(日本時間9日)=本間翼、木下大輔】巨人から新加入した日本ハム大田泰示外野手(26)が、存在感が光るデビューを飾った。今季チーム初実戦となる韓国KTとの練習試合に、「3番中堅」で出場。2打席目に移籍後初安打となる二塁打を放つと、5回1死一、三塁の第3打席には、左中間を破る2点適時二塁打で打点も挙げた。FA移籍した陽岱鋼に代わる正中堅手へ、まずは順調なスタートを切った。

 日本から駆けつけたツアー客が拍手で迎えた。大田が、新天地で好スタートを切った。「いい意味で緊張感があった。(新しい)ユニホームを着てやる緊張感。『どうしよう…』ではなく、やらなければいけない。自分のスタイルを確立したい」。“デビュー戦”で3打数2安打2打点。昨季世界一のカブスのキャンプ施設で行われたチーム今季初実戦。自慢のバットで、主役を奪った。

 3回の左翼線二塁打は名刺代わり。真価は1死一、三塁で迎えた5回だ。2球で追い込まれながら、変化球にも食らいついてファウルで粘り、最後は甘く入った直球を左中間フェンス手前まで運んだ。2点適時二塁打。「たまたま来た甘い球をヒットゾーンに運べた」と浮かれはしないが、陽岱鋼の後釜として中堅で期待する栗山監督には、大きなアピールになった。

 昨季までの8年間、通算474打席で139三振。非凡なセンスとずばぬけた長打力を持ちながら、4打席に1つ以上の割合で三振を喫してきた。だがこの日は、右方向を意識してファウルで粘り、根負けした投手の直球を打ち砕いた。指揮官は「何かを変えなきゃいけない。変化を恐れてはいけない」。巨人時代とはひと味違う色を出し始めた大田に、期待をかけた。