社会人野球きらやか銀行(山形市)のエース小島康明投手(24)が、今年もきらめく。昨年はチームを創部65年目にして初の都市対抗出場に導いた。1回戦の先発を任された東京ドームのマウンドでも躍動し、チームの歴史的1勝を引き出した。入社3年目となる今年は2年連続の都市対抗出場でアピールを続け、念願のプロ入りへ勝負をかける。

 自身の進化なくして、2年連続の都市対抗も夢のプロ入りもない。小島は強気に宣言した。「絶対にプロへ行く。都市対抗に出て目立たないと始まらない。自分の成長がチームの勝利にもつながる」。全国デビューとなった昨年の都市対抗初戦は、パナソニック(大阪)相手に8回まで無失点と好投。絶好のアピールだったが、プロ球団から届くドラフト前の調査書は1通も来ず「まだ力が足りない。もっと上を目指す」とさらなる飛躍を誓っていた。

 球速アップで長所を最大限に伸ばす。最速144キロの直球に加え、3種類の変化球を自在に操って緩急を使うのが持ち味。「投球術には自信がある。平均速度を140キロ前半にまで上げて、最速も147、8キロまで持っていけば緩急の幅がもっと大きくなる」と意図を説明する。

 球速アップの一環で、入社後から肉体改造を続けている。下半身を中心に鍛え上げ、1年目の80キロから現在は84キロまで上昇。2日から始動した静岡キャンプでは「体のキレ」を意識し、瞬発系のトレーニングを取り入れた。「既に下半身はできている。去年より直球が良くなっている自信はある」と手応えを口にした。

 同行から直接のプロ入りが実現すれば、山形相互銀行時代の78年に阪神から4位指名された青木重市投手に続き2人目となる。小島は言う。「プロに入るのが目標じゃなくて、活躍するのが目標。プロ3年目で1億円プレーヤーになるぐらいじゃないと」。チームの命運も、自分の運命も右腕1本にかかっている。【高橋洋平】

 ◆小島康明(おじま・やすあき)1992年(平4)7月20日、茨城・結城市生まれ。結城小1年から野球を始め、結城東中を経て下妻二高に進学し、甲子園出場はなし。東農大では通算4勝14敗。178センチ、84キロ。右投げ右打ち。