球春到来を前に、17年の東北勢ドラフト戦線を先取りする。社会人では、きらやか銀行(山形)のエース小島康明投手(24=東農大)がチームを2年連続の都市対抗に導き、プロ入りの夢を実現させる。

 2年連続都市対抗出場が最低ノルマ。きらやか銀行の最速144キロ右腕のエース小島は夢のプロ入りに執念を燃やす。「都市対抗に出て目立たないと始まらない。自分の成長がチームの勝利につながる」。2度の静岡合宿で急ピッチで仕上げ、先発した11日の東京大会は5回3安打2失点。最速は139キロ止まりだったが、3種類の変化球を武器に緩急を使う投球術は健在。「去年のこの時期にこれだけの球速は出ていない。もっと良くなる」。同行から直接のプロ入りが実現すれば、山形相互銀行時代の78年に阪神から4位指名された青木重市投手に続く2人目。「最速を147、148キロぐらいまで持っていく」と球威を上げてスケールアップを狙う。

 ◆社会人展望 入社3年目世代が即戦力をアピールして、背水の陣でプロ入りを狙う。小島と同学年の日本製紙石巻(宮城)の宝利亮投手(24=近大)は昨秋に球速が最速150キロまで到達したが、まさかの指名漏れを喫した。チームを2年ぶりの都市対抗出場に導くのが大前提となる。面白い存在が、宝利と同期入社の高卒3年目・佐山航平内野手(20=湯本)。190センチ、97キロと外国人並みの体格を誇り、昨年の公式戦は打率5割で2本塁打。現在、プロでも少なくなってきた右打ちの長距離砲に注目が集まる。