上尾が今大会初めて「沈黙」した。

 準決勝まで3試合で9点、11点、9点を挙げ、計29得点と攻撃陣が絶好調だったが、この日は相手の先発木上の前に凡打の山。「長身で角度があるので、上を向いて打つなと注意したんですが」と溝口勝久監督。

 失点した4回までに9個のフライを打ち上げてしまった。「転がしてくれたら少しはチャンスがあると思ったのですが。やっと実力が出ました」と、溝口監督は1安打に封じられて苦笑いした。

 この春の支部大会では全く打てず「貧打病に陥ってしまった」(溝口監督)と、4月9日から始まる関東連盟春季大会への出場権をまだ得ていない。この大会が終わるとすぐに関東大会への代表決定戦が待っている。金子昂也主将(3年)は、打撃が上向いたことを「支部の敗者復活戦で2回連続負けて悪い流れで来て、監督から『あの2試合は忘れてやろう』と言われて、いい意味で開き直れた。内容は濃かった」と、振り返った。「代表決定戦では、今回学んだことを生かして、落ち着いて戦えそうです」と、全国3位になって自信も取り戻した。