おむつゲットに大前進!? オリックスがソフトバンクに2連勝で2カードぶり勝ち越しを決め、2位に再浮上した。チーム最年長36歳の小谷野栄一内野手が、負傷欠場したロメロに代わって6シーズンぶりに4番で出場。先制打と勝ち越し打を放った。モデルの妻が双子を妊娠中。シーズン活躍のごほうびとして福良監督におむつをおねだりするベテランが、連日の打のヒーローとなった。

 チームの得点圏打率は驚異の3割5分7厘。つながるオリックス打線の中心に、つなぎの4番がいた。小谷野は1回、中前に先制打。同点の5回は、2死二塁で石川の直球を右前に落として勝ち越した。この2安打2打点が勝利に直結した。

 「1人で試合を決められる打者じゃない。4番と言ってもバントもやる。打順に関係なく、後ろの打者にいい場面を提供したかった」。開幕から不動の4番ロメロが、前日14日の死球の影響で初めて欠場。日本ハム時代の11年以来、2006日ぶりに代役で4番に入っても意識は変わらない。2本塁打の前日14日に続く、打の殊勲者。ヤフオクドームでは昨季から16打数10安打と打ちまくっている。

 福良監督は「故障が怖い。本当は少し休ませたい」と言うが代役はおらず全試合出場している。疲労の色は隠せず、この日の試合前は「しんどいよ。(故障した)去年6月から野球をやってなかったからね」とポツリ。だが妻麻美さん(32)が双子を妊娠していることを思い起こし、パパの顔になって言った。

 「これだけ働いてるんだから、監督にはおむつを買ってもらいますよ。(西村)ヘッドにはミルク。双子だから倍いりますからね。2歳の娘もまだおむつだしね」。活躍するベテランからのおねだりを、福良監督も無視できない。勝利の試合後には「前向きに考えるよ」と笑って応じた。

 この2日間、小谷野と34歳中島の2人が計12安打10打点。福良監督は「今日もベテランがいい働きをしてくれた」と最敬礼だ。貯金は今季最多タイの3。敵地でソフトバンク3連戦3連勝なら4年ぶりだ。【大池和幸】