巨人が3戦連続で初回に十字架を背負い、カード勝ち越しに失敗した。初回2死三塁。11日ぶり先発の左腕内海は阪神4番福留に対し、要求通り外角へカットボールを投じた。だが今季のカギを握る新球はわずかに曲がりが甘く、熟練者のバットに引っ掛かり、右前適時打とされた。内海が「最善を尽くしたけど打たれた」と言えば、相棒の小林も「しっかりいいボールを投げたが」と相手に上回られた。

 初戦は3ラン、2戦目は適時打を福留に初回に刻まれた。当然、内海も「警戒していた」と警報を鳴らしていた。最初の2戦は失投を打たれた小林が「今日は何とか攻めて行こうと考えていた」と言うように、対角線に配球を描き、揺さぶった。ただ先頭中谷を出し、得点圏で福留を迎える状況は防げた。初回に失点しないという勝負の鉄則を3戦連続で踏み外したのは痛恨だった。

 高橋監督は「同じような形で点を取られたのは一番の反省。(福留に)ホームラン、ヒットの違いはあるけど」と教訓とすることを求めた。25日からは今季最初の対戦で3連敗を喫した首位広島戦。反省を胸に、先手を握り続けて機先を制す。【広重竜太郎】