広島の驚異の粘りも、1歩及ばなかった。4点を追う9回に4長短打を集中して3得点。最後は2死満塁で代打堂林が空振り三振に倒れたが、3回終了時に0-7だった試合をまくり上げた。今季最多の16安打を放った打線を、緒方監督は「最後の最後まで、すごい執念を見せてくれた。誠也だけじゃない。出た選手みんなすごかった」と振り返った。

 9回の攻撃では、先頭の丸が右前打で出塁し、4番鈴木が左翼スタンドへ2戦連発となる5号2ラン。「負けていても諦めずにいこうとみんなで話していた。つないでいこうという気持ちがあの本塁打につながったと思います」(鈴木)。さらに新井、安部の連打などで2死満塁とし、田中が押し出し四球で1点差まで追い上げた。結局、DeNAに2カード連続の負け越しとなったが、チーム16勝のうち半分の8勝が逆転勝ちという「逆転の鯉」の怖さを印象づける一戦だった。