お待たせしました! 35歳の打のヒーローが鳥谷なら、投手のヒーローは37歳の能見篤史だ。6回途中無失点で今季6戦目にして初勝利。立ち上がりからピンチを招くも、直球とフォークを武器に広島打線から8三振を奪う奮投で5連勝を導いた。今月28日で38歳。年齢を重ねても、若い投手には負けずに白星量産だ!

 フォークがさえていた。能見は初回に安打と2つの四球でいきなり1死満塁。今季は立ち上がりに失点することが多いが、この日は別人だった。新井には外角に真っすぐを見せてから、125キロフォークで空振り三振。ペーニャも内角へのフォークで空振り三振に斬った。

 能見 前回同様に立ち上がりにピンチを招き、慎重になってしまいました。でも粘り強く投げることで、相手に流れを与えない投球を心がけました。

 2回から6回途中にマウンドを降りるまで、得点圏に走者がいたのは3回。幾度となくピンチを迎えたが、直球と空振りの取れるフォークを武器に粘り切った。20代が7人スタメンに名を連ねる広島打線を37歳左腕が8奪三振、無失点に料理。6試合目で今季初白星を手にした。

 グラブを新調した一戦だった。これまで黒地に白の差し色(縁取り)が入っているものだったが、その色を青に変更。「月も替わり新しいグローブで今日の試合に臨みました」。グラブの色や型、スパイクの設計など、ここ数年はモデルを変えずに臨んでいた。だが変えたのは、グラブだけではなかった。

 プロ野球の先発は、基本的に登板の2日前に投球練習をする投手が多い。去年の能見もそうだった。ただ今年は一転。3日前にブルペンで投球練習をするようになった。今月で38歳を迎える背番号14。ベスト状態で登板日を迎えられる日を探り、調整法を変えた。

 能見の白星に金本監督も笑顔だ。「やっとと言いますかね。ずっと5回6回いいピッチングをしてくれていて勝ち星がつかなかった。今日はそこが一番大きかったかなと思います」。これで積み重ねた勝ち星は93個目。シーズン中の通算100勝到達も見えてきた。結果を求めるために、37歳でも変化をいとわない。これからも円熟味をマウンドで披露する。【山川智之】