またも、この男が勝利の使者となった。阪神鳥谷敬内野手(35)が2回に反撃の左中間二塁打を放ち、逆転勝ちへの流れをつくった。これで自身初の6試合連続打点。4回にも安打を放ち、通算2000安打へ残り91本とした。5月は10戦中6戦マルチで月間打率は4割2分4厘。34試合目で貯金10に到達した虎のハイピッチ白星量産を、支えている。

 プロ14年目で初の領域に踏み込んでも、背番号1は終始落ち着いていた。「打ったのはストレート。高めをしっかりたたけました」。自身最長となる6試合連続打点を挙げたのは、2点ビハインドの2回だった。無死二塁で打席へ。4球目。DeNA今永の143キロ直球をとらえた。左中間を真っ二つに割る適時二塁打で反撃の1点を刻むと、その後、相手の暴投で三進し、北條の左犠飛で、同点のホームを踏んだ。

 4回には投手強襲安打。マルチ安打で2000安打へ残り91本とし、打率はチームトップの糸井(3割2分5厘2毛)に次ぐ3割2分4厘5毛まで上昇した。4月の月間打率は2割7分3厘(77打数21安打)だったが、5月を迎え33打数14安打で同4割2分4厘。チームも比例するように、5月に入って8勝2敗と白星を積み重ねてきた。