鳥谷、糸井、そしてこの日決勝打を放った福留に共通するデータがある。三振が少ない上に四球が多いこと。昨季、34試合終了時点でチームは266三振を喫していたが、今季は232と減少。セ・リーグ三振数ワースト10には、誰も名前を連ねていない。四球の数も現時点では、昨季の106から141へと飛躍的に増加。片岡打撃コーチは「低めの球を徹底して見極められている。長くボールを見られたら四球が取れたりして相手のリズムを崩せるときもある。逆方向に打てるということは見極めができているということ」。この言葉を体現しているのが、17三振しかしておらず、21四球を選ぶ鳥谷だ。

 この日は2度の盗塁死を記録したが、盗塁企画数7はチーム最多。1つでも先の塁をうかがう攻めの姿勢を一貫し、チームを勢いづけている。試合後の取材では、報道陣に囲まれながら「最終的に勝ったのでよかったです」と謙虚な一言を残し、タクシーに乗り込んだ。貯金10の大台到達も、目線はすでに次戦を見据えているようだ。【真柴健】

 ▼阪神鳥谷が2回に適時二塁打を放ち自身最長となる6試合連続打点をマークした。これまでは14年9月15日ヤクルト戦から同20日中日戦で記録するなどした5試合連続が5度。今回は7日の広島戦で5打点を挙げるなど今季全17打点のうち11打点を期間中にたたき出す暴れっぷりだ。