阪神が「首位独走ローテ」や。3シーズンぶりとなる2桁貯金に前日14日到達したが、悲願Vへノンストップとばかりに、先発ローテーションを再編し、独走態勢突入をうかがう。今日16日からの中日戦(甲子園)に、秋山、能見やメッセンジャーを配置し、翌週の巨人戦も見据える。岩貞は復調期間を設け、19日からのヤクルト戦(神宮)へ。藤浪も中5日の間隔で登板するプランがあり、6連勝中の日曜日には青柳かルーキー小野のフレッシュ右腕を投入する。交流戦まで残り4カード。確実に勝ちを拾い、首位を固める。

 金本阪神は雨天中止の翌日に強いだけではない。今季は2連勝、3連勝と勝ちをつなげている。今回も雨を生かし、先発ローテーションの再編を敢行する。今日16日の中日戦は予定通り秋山が登板するが、その後に能見が中9日の間隔を空けて登板。18日はメッセンジャーが今季2度目の中5日で配置される。翌週には本拠地で巨人戦を控えており、安定感抜群の3人がG倒に向かう。

 前日14日には貯金10の大台に到達した。交流戦まで残り4カード。そのうち、3カードが9勝4敗の甲子園で行われる。現在の地位を堅く守るだけでなく、独走態勢に入るチャンスだ。19日の敵地ヤクルト戦には、左腕岩貞を投入。今季は調子がいまひとつで、中8日と登板間隔を空けることで復調の兆しをうかがう。さらに2戦目には、中5日で藤浪を先発させる案が浮上している。金本監督は「日曜日に晋太郎を投げさせるのは、もったいない」と話している。完投能力が高いため、リリーフ陣に休養を与える存在だ。土曜日に置くことで、日曜日にブルペン総動員で臨むことができる。

 先発6人目として検討されているのが、青柳とルーキー小野だ。両右腕は14日のウエスタン・リーグのソフトバンク戦に登板。ともに4回を投げ、青柳が無失点。小野が2失点の結果に終わった。チーム状況がいいだけに、新人をテスト登板させてもいいが、指揮官の考えは違った。「そんなスキを見せちゃいかんよ。勝ちにいかんと。勝てるために、どっちを選ぶか」。あくまで勝ちにこだわる人選になる。状況を見れば、青柳が優位だ。

 チームを勢いに乗せながら、脇はしっかりと固める。日本一に輝いた85年を超えるハイペースで貯金「10」を数えたが、ナインが浮足立つことを心配していない。「ベテラン、キャリアを積んでいる選手もおるし。4人おるんかな。主力で言えば、ウエポン(上本)やベテラン3人。ピッチャーも球児らがいるし」。好調の福留、糸井、鳥谷がチームに安定をもたらす。先発陣の再配置で、首位独走をもくろむ。

 ◆17年虎のここまでの歩み 今季最大連勝は6(5月3~9日)だが、連敗も3連敗が1度(4月1~4日)、2連敗も1度(4月19、20日)だけ。大型連敗がなく、貯金10に到達した。曜日別では金曜日と日曜日が最高勝率(ともに8割5分7厘)。金曜日は無敗のメッセンジャーが7試合中6試合に先発してきたが、日曜日は2点差以内の勝利が5試合もある。チームの今季22勝のうち2点差以内の勝ちは10勝だが、その半分が日曜日。その分、救援陣の負担がかかるが、ドリス、マテオ、桑原らが奮闘。土曜日に藤浪が配置され、長いイニングを投げると仮定すれば、救援陣の日曜日フル稼働態勢が、より整うことになる。