日本ハムのブランドン・レアード内野手(29)が、また一振りで試合を決めた。オリックス10回戦(札幌ドーム)の3回、直前に2-3と逆転された嫌な雰囲気を、逆転の12号2ランで吹き飛ばした。3、4月は打率1割6分7厘と低迷していた長距離砲は、5月に入って7本塁打、打率3割7分7厘と当たりに当たっている。

 慣れた手つきですしを握った。レアードが3回、左中間へ決勝2ランを放った。リーグトップを守る12本目の1発。「プレッシャーの中で打席に立てるのは好き。楽しめている。結果、ホームランになってよかった」。逆転を許した直後だっただけに、球場の雰囲気を一変させた。

 来日3年目、積み上げた経験が打席に生きる。2球で追い込まれながら、低めのチェンジアップにバットを合わせた。「(相手先発の)山崎福は追い込むと変化球でくるというイメージ。予測はしていた」。すしを好み、はしでそばを食べる助っ人は、グラウンドでも日本に順応している。

 昨年は月間MVPを獲得した5月。今年もリーグトップの月間7本塁打、同2位の20打点、同3位の打率3割7分7厘と、打撃3部門で上位をキープしている。「毎打席、新しい気持ちで打席に向かっているのがいいと思う」。切り替えを、好調の要因に挙げた。

 この日は住宅販売を手がける企業のイベントデー。お立ち台では、1000万円分の住宅建設費用を賞品として受け取った。使い道を問われると「ニンテンドー、スイッチ。マリオカート」。ゲーム機購入が、果たして住宅費用として認められるのかは不明だが、家を建ててもおかしくないほど、日本に居場所をつくった。【本間翼】