<広島3-2ヤクルト>◇23日◇マツダスタジアム

 広島松山の打撃がいい。開幕当初は不安定だったが、引きつけて瞬時にとらえるスイングが戻ってきた。

 パワーもあるし、右へ、左へと打ち分けられる。それが7番に座っているから、恐怖の下位打線と言っていいだろう。松山の出来次第で、今後のチームの行方が変わると言ってもいい。打線においてそれほど重要な存在になってきた。

 ただ、あえて苦言を呈したい。まだ31歳。7回で守備固めを出されるのはあまりにも寂しい。緊迫した終盤になるとはいえ、リードは1点。必ずもう1打席は回ってくるのだ。守備、走塁への信頼がないのだろう。この日も6回の大引の左前打を捕球し損ねていた。右打者の左中間への打球にしては珍しいフック回転だったとはいえ、後逸はあり得ない。守備にも興味を持たなければ。交代を悔しさに代えてほしい。(日刊スポーツ評論家)