DeNAが「速射砲」で中日を粉砕した。13得点は今季セ・リーグ最多。本塁打なし、今季チーム最多の17安打を浴びせ、3本塁打の中日に打ち勝った。相手の先発は、試合前の防御率が1・66のジョーダン。5回までに10得点でKOした。放った11安打のうち、8本を4球目までに仕留める速攻。ラミレス監督のプランニングが的中した。

 コントロール抜群のジョーダン。ラミレス監督は「打者の左右に関係なく抑えている。左右とも、被打率が2割もない。追い込まれると難しい。早いカウントで積極的に、しっかり打つこと」と、シンプルに好球必打を指示した。正捕手の戸柱ではなく「打撃のいい」右打ちの嶺井を6番に配置。今季初先発の熊原でも8番に据え、「第2のリードオフマン」とこだわって起用する9番倉本をそのままにし、打ち勝つ姿勢を前面に出した。

 3回の集中打は2球目を打った倉本が起点。逆転打の宮崎は初球打ちで「積極的にいこうと決めていました」。4打点の田中浩は「どんどんチャンスを作ってくれる。何とかしたい気持ちにさせてくれる」と勢いに乗っかり、チームは4カードぶりに勝ち越した。

 ミスで落とした前夜の試合を忘れさせる完勝。ラミレス監督は「打線がやってくれた。早めのカウントでしっかり打った。甲子園の勝ち越しは、よりインパクトがある」と言った。1日で勢いを取り戻せるからDeNAは怖い。【宮下敬至】