もったいない…。しかし、ものは考えよう。5-13の大敗だが、序盤に目を向ければ中日打線は今までにない反発力を見せた。

 何よりビシエドが頼もしい。3点を追う5回、左翼席に10号2ラン。3試合連続アーチで5月は8本目。内角直球をさばき「少し詰まったけどいいスイングができた」。4月の不振がウソのような暴れっぷり。戦意喪失しそうな3回の5失点の後に、悪い流れを吹き飛ばした。「点が入れば勝つチャンスはできる。負けて残念だったね」と、さばさばとした表情で話した。

 平田にも待望の1発が出た。2回に一時同点の5号ソロ。4月21日以来、113打席ぶりのアーチは「来た球を全部振るぐらいのつもりで。逆方向だったけど打った瞬間に入ると思った」と開き直っての1発だった。その後、前日4安打でヒーローになった京田も右前適時打で、2回に一時的に勝ち越した。4回は亀沢にも2号ソロが出て、1試合3本塁打はチーム今季初。まさにジョーダンさえ普通に投げていれば…という展開に持ち込んでいた。

 森監督も野手に同情するような口調だった。「先発が試合を作れないと、こうなる。打線がせっかくいい調子で打ってきててもな。野手もやる気なくなっちゃう」。目の前の白星を逃したが、交流戦を前にして戦える材料は増えてきている。【柏原誠】