今年の交流戦は、糸井がいる! 3番指名打者に入った阪神糸井嘉男外野手(35)が、ロッテに先制パンチを浴びせた。1回1死二塁で打席に立ち、右翼へ7号2ラン。昨季交流戦に負け越し、ロッテには3連敗していたチームを奮い立たせる一打になった。昨季までパ・リーグにいたFA砲の存在が頼もしい。

 マリンの風に乗った。初回だ。1死二塁の場面。3番糸井が1ボールから、ロッテ石川の2球目シンカーを振り抜いた。打球はレフトからライト方向に吹く風にも押されて右翼席に着弾。「打った感触も良かったですし、何より先制できて良かったです」。まだ日の落ちきらないスタジアムに描かれたきれいな放物線。先制の7号2ランが、猛虎爆発の合図になった。

 攻撃の核になった。金本監督は「休養も兼ねて。DHで守りの負担を軽くする」と、糸井を「3番DH」で起用。28打席ノーヒットとトンネルに入ったこともあって1番起用が続いたが、5試合ぶりに3番糸井、4番福留の並びが復活した。打撃に専念し、ホームランを放ってからの2打席目以降に4四球。5回、6回には糸井が四球を選んで、福留がヒットというパターンで大量得点に結びついた。

 「28打席ノーヒットで打席に立たせてもらえるんだから幸せだよ」。「イケメンの顔、大丈夫かって伝えといて!」。声の主は打者に転向した06年、日本ハム時代に打者のイロハをたたき込まれた大村巌打撃コーチ(48=現ロッテ2軍打撃コーチ)だ。この日は午前中からZOZOマリンでイースタン・リーグのロッテ-日本ハム戦が行われており、偶然居合わせた。ゆっくり話をする時間はなかったが、久しぶりに会う師匠とハイタッチを交わした。

 顔はまだ痛々しいままだ。28日DeNA戦の中堅守備で飛球を追って遊撃手大和と激突。右目上に裂傷を負った。この日も患部にテープを貼った状態でプレー。目をぎらつかせて闘争心を見せつけた。昨季の交流戦は7勝11敗と12球団中、10位に沈んだ金本阪神。今年は違う。パ・リーグを知り尽くした背番号7がいる。【桝井聡】