赤いルーキーが躍動した。西武源田壮亮内野手(24)が2安打2打点の活躍をみせた。5回無死二、三塁から左前に2点適時打を運び、昨季から7連敗中だった天敵ディクソンをKO。7回にも3得点につなげる左前打を放ち、「チームの流れに乗れてよかった」と笑顔をみせた。

 21日から赤が基調の「炎獅子(えんじし)ユニホーム」を着用して無傷の4連勝。過去の限定ユニホームは15年の黄色が0勝5敗、昨季のエメラルドグリーンが15勝16敗と負け越したが、今年は縁起ものとなりそうな気配が漂う。「赤は好きですね。(社会人時代の)トヨタのユニホームも赤でしたから」という源田は、着用4試合で15打数6安打5打点の好調ぶりだ。

 もちろん、ユニホーム効果だけではない。5回の適時打の陰には辻監督からの助言があった。前の2打席はいずれも一ゴロ。「(5回の)打席前、監督から『強引になっている』と言われて。センターを中心に、来た球を素直に打ち返そう」と切り替えた。その意識が外角低めのカーブを、逆らわずに捉えさせた。

 2番という重責を担いながら、積極性も失われていない。この日放った2安打は、2球目と3球目を捉えたもの。ここまでの93安打中、3球目までが58本。持ち味は数字にも表れるが「打席でいろいろ考えすぎてしまいバットが出ない時があった」と明かす。出口を探そうと自問自答する中、あらためて気付いたのは「振らないと結果はでない」という原点だった。19年ぶりのパ・リーグ野手での新人王へ-。頼もしいルーキーが9年ぶりのV奪還へ大きな力になる。【佐竹実】