<巨人6-5阪神>◇8日◇東京ドーム

 巨人ラミレスが、前日のうっ憤を晴らす逆転2ランで勝利の立役者となった。1点を追う8回、無死二塁の場面で久保田のストレートをバックスクリーン左のカメラマン席に放り込んだ。打球の行方を確認すると、右手で控えめなガッツポーズをつくって喜びを表現した。

 前夜は本塁打性の打球が左翼席の阪神ファンがはたき落とす形で、二塁打と判定された。逆転3ランは幻となり、試合も敗れた。狙ったわけではないだろうが、この日の1発は、観客のいない場所へ運んだ。

 「きのうは1本(本塁打を)損したが、その分を取り返せた」とインタビューでは思わず笑顔がこぼれた。1本損しても10号はリーグトップ。主力が次々と離脱する苦しいチームにあって、主砲がきっちりと仕事をしている。