札幌ドーム(札幌市)でプロ野球観戦中にファウルボールが右目に当たり失明した市内の30代の女性が、北海道日本ハムファイターズと札幌市などに約4700万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が3日、札幌地裁(戸畑賢太裁判官)であり、球団側はいずれも請求棄却を求めた。

 球団側は答弁書で「大型ビジョンやアナウンスで注意を促していた。ファウルが出た時は警笛も鳴らしている。防御姿勢を取らなかった女性に責任がある」などとした。

 球団は試合の主催者で、市はドームの所有者。

 訴状によると、女性は2010年8月21日、内野席で日本ハム対西武戦を観戦中、ライナー性のファウルボールが顔に直撃し失明。球団側が防球ネットの設置など安全対策を怠ったとしている。

 同種訴訟は仙台地、高裁や千葉地裁で争われたが「看板やアナウンスで注意を呼び掛けた」として、観客側が敗訴した。