プロ野球創設期の名投手、故沢村栄治氏を記念した「沢村賞」の選考委員会(土橋正幸委員長)が29日、東京都内で開かれ、パ・リーグの最多勝利と最優秀投手(勝率1位)の2タイトルを獲得したソフトバンクの摂津正投手(30)が初めて選ばれた。

 田中、ダルビッシュの2人が全7項目の基準を満たした昨年とは違い、クリアした投手のいなかったことしの選考委員会は「議論百出」(土橋委員長)だったという。村田兆治氏は「沢村賞は名誉、地位がある。連盟表彰もあるし、該当者なしを貫いた」と話した。

 摂津は完投数が3と少なく、投球回も200回には足りなかったが中継ぎ、抑えとの分業制が進んだ今の野球ではやむを得ない側面もある。堀内恒夫氏は「基準が厳しいのかもしれない。過渡期にきていると思う」と指摘した。