<楽天6-2オリックス>◇13日◇Kスタ宮城

 前回登板で前人未到の開幕20連勝を果たした楽天の田中将大投手が21勝目を挙げ、同一シーズンの連勝記録を56年ぶりに塗り替えた。次々と記録を打ち立てる24歳に、近年の20勝投手から称賛の声が上がった。

 1985年に阪急(現オリックス)で21勝をマークした楽天の佐藤義則投手コーチは「20勝した投手はほかにもいる。一番はゼロ敗」と語る。巨人時代の99年に新人で20勝を果たした米大リーグ、レッドソックスの上原浩治投手は「自分は1年目だったけど、田中選手は研究されている中で、防御率が1点台というのもすごい」と舌を巻く。

 89、90年に2年連続20勝を記録し、シーズンで最も優れた先発完投型の投手に贈られる「沢村栄治賞」に3度輝いた巨人の斎藤雅樹投手コーチは「すべての球種を自分が思うように操れる。普通は1個か2個だけ」と持ち球のレベルの高さに驚く。江川卓氏と巨人の一時代を支え、中日時代の89年に20勝をマークしたオリックスの西本聖投手コーチは「全部全力でというのは難しい。力の抜き入れをしないとあんなには勝てない」と投球のうまさを指摘した。

 田中投手の憧れの投手で、開幕15連勝のプロ野球記録を持っていた元ソフトバンクの斉藤和巳氏は「自分はいつか負けると思っていたから余裕はなかった。そういう感情では投げていないだろうし、自分とは次元が違う」と脱帽する。

 元チームメートで田中投手の入団2年目に21勝を挙げた大リーグ、マリナーズの岩隈久志投手は「このまま負けずに、けがをせずに最後まで頑張ってほしい」とエールを送った。