中日井上一樹打撃コーチ(42)が15日、名古屋市内の球団事務所に呼ばれ、来季契約を結ばないと正式に通告された。同コーチは選手時代から中日ひと筋、引退後も2軍監督などを歴任。球団内外で次期監督候補と言われてきた。

 明るい性格と熱心な指導で若手の育成に力を注いできた。スーツ姿の同コーチは「まとめると、今日15日をもって正式に来季の契約を結ばないということになった。志半ばではあるけれど、野球のおかげでここまでやらせてもらってきた。これからも携わっていきたい。指導者に終止符を打つつもりはサラサラない。もっとこういう選手をつくりたいという気持ちもある。ケジメとして、みんなの前でサヨナラとひと言あいさつしたいけど機会もなかった。『みんな頑張ってくれよ』とひと言言いたかった。みんなには、せっかくこの世界に入ったんだから、名前を売ってのし上がっていくという気持ちを忘れないでほしい」と選手への熱い思いを吐露した。

 今後は未定。「置いていた釣りざおを、今から投げる。どんな反応があるか」と独特の表現で心境を説明。広くオファーを待つ構えだが、指導者に対する情熱は一切失っていないようだ。