中日大野雄大投手(25)が23日、ちょっといい話を明かした。

 22日のロッテ戦(ナゴヤドーム)でプロ7年目の初打点を初適時打で飾った谷哲也内野手(28)との触れ合いだ。大野が先発した6月4日のロッテ戦(QVCマリン)でスタメン二塁で出場していた谷が、5回に一塁へ悪送球。この失策後、大野が打たれて勝ち投手の権利が消え、5回5失点の左腕に首脳陣は2軍降格を命じた(2軍落ちは翌日撤回)。この時、投手コーチは「いつも野手に助けてもらっているんだろう?

 野手がミスした時こそ、お前が踏ん張らないとダメじゃないか」と大野を叱責(しっせき)。だが試合後、谷が大野のもとを訪れて何度も頭を下げたという。谷は内野手だが本職は遊撃と三塁。二塁はプロでも経験が浅く急造だった。そして谷は翌日から「僕が大野の白星を消してしまった。本当に悪いことをした」と、連日早出特守を欠かさないようになった。大野は「谷さんが試合後、何度も『ゴメン、ゴメン』と謝ってくださって…。でも悪いのはそこで崩れた自分なんです」と逆に謝ったそうだ。「谷さんが次の日から毎日早出しているのは僕も見ています。昨日の初タイムリーは僕も本当にうれしかったです」。猛特訓した二塁のスタメンで苦労人がマークしたプロ初打点。大野も自分のことのように喜んでいた。