中日の新戦力・和田一浩外野手(35)がユニーク宣言だ。チームは3日、キャンプ地沖縄から名古屋に戻り、4日に行われるナゴヤドームでの西武とのオープン戦に備えた。和田も本拠地で古巣相手に“デビュー”するが「打たないと思います」と予告。実は開幕前に結果を求めないのが和田流の調整で、マイペースで力を貯め込む構え。低打率でもご安心…?

 落ち着いた言葉が何とも頼もしかった。本拠地での実戦デビューを控えても和田には力みが感じられなかった。「結果は求めません。オープン戦はオープン戦ですから。たぶん打たないと思いますよ。目標はあくまで開幕。開幕に間に合わせればいいんです」。いたずらっぽく笑いながら“打たない宣言”をした。

 レギュラーを狙う若手ならアピールのために結果を求めるが、そこは5番・左翼を確約されているFA戦士。現役時代の落合監督もオープン戦で結果を求めなかったが、同様に「和田流」の調整を貫く構えだ。

 キャンプ中も和田はフリー打撃でほとんどさく越えをしなかった。「今は窮屈に打った方がいい」と、あえてボールを体の近くにひきつけて打つ。詰まった打球が多くなるが、これで打撃の基礎を作ってきた。「きょうは遊びで」と、ポン、ポンとスタンドに放り込むことはあったが、あくまで気分転換が目的。キャンプ前には報道陣に「さく越えを数えないでください」と注文を出すなど、初めから結果を度外視している。

 「オープン戦でも特別なことはしませんよ。キャンプと一緒です。あとは投手との距離感をつかんでいきたい」。

 和田にとってオープン戦もあくまで練習。西武時代の11年間は通算打率が2割2分7厘。それでもシーズンに入れば3割を打ち、首位打者も獲得した。「あまり(打率を)計算しないでください」。結果に目をくれないスタイルは、シーズンへの期待を膨らませる大事な要素なのだ。打球の行方よりスイングそのものを楽しむ方がいいということだが、新戦力の出来に注目するファンにとってはちょっともの足りないかも…。【鈴木忠平】