日本ハム田中賢介内野手(26)が、職人芸技を少年少女球児に還元することを決めた。犠打の達成数に応じて野球用具をプレゼントする「夢の贈りバント」を行うことを18日、球団を通じて発表した。昨季はパ・リーグ新の58犠打を達成したことをきっかけにし、20日に開幕する今季のために温めてきたプランだ。

 かねて考えていた社会貢献として、ユニークなプランを実行することを決めた。「昨年は記録もできたし、これが一番いい形じゃないかと思う」。犠打成功につき、1人にバットとグローブ、ユニホームなど用具7点、総額約4万8000円を贈るというもの。アドバイザリー契約を結んでいるウィルソン社の賛同、協力を得て行う。

 当選者の決定方法も、ユニークだ。球団を通じて応募してもらい、条件の1つが作文をしたためてもらい、その中から選ぶつもりでいる。「心を打たれるというか、素直に読んで決めたい」。主力の自覚あふれるファンサービスになる。「今、いじめ問題とかいろいろあるけれど、僕は野球を通してたくさんのことを学べたから」。野球だけではなく、スポーツ離れが叫ばれる現代。田中が少しでも、野球と子供の“つなぎ役”になるつもりだ。