<オープン戦:横浜6-5広島>◇22日◇横浜

 開幕を目前に控えた広島に「永川余波」が押し寄せた。横浜戦でこれまで絶好調だった岸本、コズロースキー、広池の3人が3点差を逆転され、サヨナラ負けを食らった。ストッパー永川が不振で2軍落ちし、各自の負担が増える中で、結果を出せなかった。これで3試合連続の逆転負け。ブルペン編成の見直しも含めて、大きな課題が浮き彫りになった。

 小兵・野中の放ったゴロは力なく三塁線に転がった。だが、三塁シーボルの必死のダイビングもおよばず、打球は左翼線を抜けていった。サヨナラ負けだ。

 20日の阪神戦は「8回、9回」で3失点、21日の中日戦は「6回」に3失点、そしてこの日は「8回、9回」で4失点…。先発が頑張って試合をつくっても終盤にリリーフによって壊されてしまう展開が続く。大幅にバージョンアップされたはずのブルペンだが、ほころびが目立ち始めた。

 ブラウン監督の顔にも危機感が表れていた。「永川がいなくなり、すべての中継ぎ投手が1イニングずつ後ろを担当しないといけなくなた。ほかの投手に負担がかかっているのは事実だ。『オレに任せろ』という投手が出てきてくれるのを待つしかない」。

 ブルペンの厚みに自信を持っていた指揮官にとっては誤算になった。まず、永川が1軍メンバーから外れることが想定外。実力が未知数だった岸本はうれしい誤算ともいえるが、好調を維持してきた投手たちがオープン戦終盤の「本番モード」で打たれ出したのは気がかり。もちろん、これまで積み上げてきた信頼と実績を1~2試合で白紙に戻すことはないが…。

 8回。2点を返され、なお1死二、三塁で「守護神」として初登板したコズロースキーは、悪いクセが出た。いきなりボークをおかし、同点にされた。「今日はボークの話以外で頼むよ」とジョークを言ったが、同じことを繰り返している以上「次は大丈夫」で済まされる話ではない。監督も「単純なエラーやボークをやっている限りは厳しいね」とピシャリだ。

 この日、7回を3人で抑え、オープン戦5試合無失点とした林は「結果が悪ければすぐに脱落してしまう状況。いい競争だと思う」と話した。激しい1軍枠レースもいよいよ大詰めだ。23日の横浜戦(横浜)ではルイス、長谷川で8イニングほどが予定されるため、中継ぎ陣がアピールする場は事実上、なくなった。

 先発枠から落ちた投手も中継ぎに回ることが予想される。オープン戦で1度も先発していない宮崎や、先発争い最後尾の青木高が、ロングリリーフ兼任でブルペンに控える可能性は高い。いずれにしろ「再編」は避けられない状況だ。

 頼みの永川は調子が戻るまで「無期2軍」。今いるメンバーでやりくりするしかない。指揮官は言う。「誰かがはい上がってほしい」。監督の悩みを解消する手段は、各投手の頑張り以外にない。【柏原誠】