<イースタン:日本ハム5-7ロッテ>◇23日◇鎌ケ谷

 怪物が、抜群の適応力を見せた。日本ハム高校生ドラフト1巡目の中田翔内野手(18)が23日、千葉・鎌ケ谷で行われたイースタン、ロッテ戦で公式戦初安打をバックスクリーン弾で決めた。前日までの一本足をやめ、この日からすり足への新打法に変え、2打席目で結果を出した。試合後は室内練習場に移動して打撃フォーム固めに汗を流すなど、確かな進化を遂げている。

 中田の真骨頂だ。4回1死。呉偲佑の内角スライダーに鈍い音が響いた。「ちょっと詰まりました」という打球が、バックスクリーンへ向かい、フェンスの向こうで弾んだ。実戦13打席ぶり&公式戦初安打は力で放った125メートル弾。「詰まっても右手で押し込むのが自分の持ち味。完ぺきなバッティングができました」。ダイヤモンドを1周した中田は、2000人で埋まったスタンドにヘルメットを高々と掲げて応えた。

 左足を豪快に上げて、フルスイングする姿が消えた。左足をすり足で右へ引きつけ、そこから始動する。きっかけは前日22日の試合後だった。高校時代の映像が印象にあり、中田に対して一本足打法のイメージがなかったという水上2軍監督は「いつから一本足なの?」と尋ねた。「2年のときはすり足でした」という返答。170メートル弾を放った際はすり足だった。同監督は名球会入りした山本浩二、衣笠、清原らを例に出し「2000本安打して、本塁打を500本以上打った右打者の中に、一本足の人はいないよ」と教えた。

 フォーム改造を強制されたわけではないが、その後の個人練習で、中田から首脳陣に「すり足打法を試してみたい」と志願した。オープン戦8試合で9三振。22日の試合でも3三振していた。「(バットが球に)当たらないことを気にしていた」と大村2軍打撃コーチで、ミートを心掛けるための選択だった。同コーチも「101メートルも1点。170メートルも1点」と背中を押した。中田は試合後「(視線の)ブレがなくなった」と確かな手応えを感じた。

 前日の夜間練習では、荒井2軍打撃コーチからプロ投手の攻め方もレクチャーされた。「内(インコース)2割、外(アウトコース)8割」という比率を聞いた中田は「逆だと思っていた。いい話が聞けました」と頭に入れた。この日の一発は左投手の外から内に入ってくるスライダー。意識が外に向いていることでバットがスムーズに出た。

 だが満足はしていない。8回の第4打席は1死満塁の好機に遊併に倒れた。「まだまだです。目標?

 今は2軍の身なので何もない。自分にできることをして、早く1軍に上がることだけを考えたい」。怪物の視界には、さらに先しか見えていない。【本間翼】