右ひじ故障中の中日ラファエル・クルス投手(30)が前半戦を棒に振る可能性が出てきた。24日、ナゴヤ球場の屋内練習場でリハビリを行ったが、負傷から約2週間経過しているにもかかわらずメニューはランニングなどの陸上トレーニングのみ。ボールを使った練習は行わず「キャッチボールはまだできない」と沈んだ表情を見せた。当初は右ひじのじん帯損傷で全治3週間とみられていたが、炎症がひかない状態で回復が遅れている模様。関係者によると復帰が8月にずれ込む可能性もあるという。

 9日のソフトバンク戦で投球した際に痛め、負傷交代した。昨秋も右ひじを負傷して離脱した経緯があり、古傷が再発した形。復帰は慎重を期すことになりそうだ。

 今季の中日は、昨年のセットアッパー岡本が西武に移籍した影響で、守護神岩瀬にいかにつなぐかがテーマとなっている。森バッテリーチーフコーチは「調子のいいものを使う」と話しており、平井、中里、鈴木、高橋に加え、150キロ超の球威を誇るクルスも有力候補だった。8月の北京五輪大会期間中は岩瀬が日本代表に招集される可能性が高く、ストッパー不在を埋める必要もでてくる。2年連続日本一に向けて、クルスの長期離脱は大きな痛手となる。