<ロッテ6-3ソフトバンク>◇4日◇千葉マリン

 ロッテの「田中マー君」こと田中雅彦捕手(26)がプロ初の決勝打でチームの連敗を4で止めた。2点を追う8回1死一、三塁から大松、橋本の連続適時打で同点。なおも2死満塁のチャンスで、8回表の守備から入った田中雅が執念で右前へポトリと落ちる2点適時打を放った。ライトがお手玉する間に5点目も入り、土壇場で一気にひっくり返した。

 ベンチ前で手荒い祝福を受け、プロ2度目のお立ち台に立った。「こんなおいしい場面で回ってきたので、とりあえず楽しもうと思った。最高です」と声が弾んだ。3日に最下位タイに転落し、この日は調子の上がらないズレータ、福浦が2軍降格するという緊急事態に突入。「前半戦の試練だと思って、試合前からみんなすごく気合が入っていた」と振り返った。

 しびれる場面で支えになったのが家族の存在だった。今年1月24日に待望の長男が誕生。「うれしいですね。子供のためにも今年は結果を出したい」と常々話していた。自覚も新たに、オフ中は毎日、地元大阪のジムに通い肉体改造。昨年はわずか14試合の出場で打率6分3厘ときっかけをつかめなかった男が、さまざまな思いを乗せて近大3年時以来という決勝打を放った。

 バレンタイン監督も冗舌だった。「8回は全員が全力を出してくれた。昨日まで打てなかったが、これが野球なんだと思う」と感激に浸った。これで最下位から脱出し、ようやくチームが1つになった。【鳥谷越直子】