<ヤクルト2-1中日>◇25日◇神宮

 完封勝ち目前の中日がヤクルトに逆転負けした。4回、李の3号ソロで先制。先発朝倉は7回まで1点のリードを守ったが、8回1死からガイエルにストレートの四球を与え、リグス、宮本に連続タイムリーを浴び逆転を許した。朝倉は8回8安打2失点で今季2敗目。この日敗れた首位阪神とのゲーム差は「2・5」のままとなった。

 朝倉は、こん身の勝負球をはじき返された。同点の8回1死三塁、打席に宮本。カウント2-2からの142球目は、内角低めへの145キロのシュート。だが打球は二塁手荒木の頭を越えて、勝ち越しの適時打となった。朝倉は右腕で額の汗をぬぐってうつむいた。

 「自分のピッチングはできていたと思うが、勝負どころでストレートの四球を出した。自分の責任です」

 悔やんだのは1-0の8回1死の場面、先頭の青木を遊ゴロに打ち取った直後だった。この日、3打数ノーヒットだった4番ガイエルに4球続けてボール。続く5番リグスの初球打ちによる適時二塁打で同点にされた。そして6番宮本の勝ち越し打。今季初完封も視野に入った8回に、打者3人で一気に逆転された。森バッテリーチーフコーチは「本塁打ならまだしも、ストレートの四球を出すなんて」と渋い顔だった。

 朝倉はここまで3勝1敗だったが、最長イニングは7回とすべて中継ぎ陣の助けを借りていた。24日の阪神戦は投手6人をつぎ込んで延長12回引き分けと、チームの投手事情は苦しかっただけに「今までずっと中継ぎの人に負担をかけた。(1ー0で)最後まで投げたかった」と振り返った。

 それでも落合監督は朝倉について「ここまで(8回)投げたのは初めてじゃないか。それでいいじゃないか」と151球の力投を評価した。その上で「2点で抑えた、と思ってもらっちゃ困る。納得してもらっちゃ困る」と「先発3本柱」としてさらなる成長を求めていた。【益田一弘】