<西武10-8オリックス>◇26日◇西武ドーム
天国のおじいちゃんへ-。西武中島裕之内野手(25)が、最愛の人へ、最後のお礼のホームランを贈った。逆転3ランでチームを連勝に導いた。スコア7-8で迎えた8回裏。直前の表にリリーフ左腕三井が大量5点を奪われリードを許した展開だった。2死一、二塁。オリックス加藤の初球を狙いすました。「来いよ、来いよって待ってました」。143キロをフルスイングで左翼席へ運んだ。
「昨日、将吾さん(赤田)がサヨナラを打って、僕も波に乗らせてもらった。今のチームには点を取られてもすぐに取り返す雰囲気がある」。チームの勢いも力にした。豪快なひと振りで勝負のケリをつけた。
試合後、帰宅してから兵庫・伊丹市の母秀美さんから悲報を告げる電話が入った。母方の祖母の兄で大伯父の木徳俊夫さん(享年82)が26日未明、肝細胞がんで亡くなった。孫のようにかわいがり、幼いころに野球を教えてくれ、関西遠征の際には必ず観戦に訪れてくれた。10年の闘病生活に耐えながら、5月9日からの大阪遠征で再会を約束していた。勝った喜びも忘れ去るほど心の痛みを感じた。
秀美さんは、中島の衝撃を考慮して試合前に知らせることを控えていた。帰宅後の電話口では「あんたが打ったから、おじいちゃんも笑って天国へ行ける。良く打った。最高の孫や」と涙ながらに息子をほめたたえた。入団8年目、首位を走る西武の主軸に成長した中島のたくましさを、おじいちゃんは遠い空から見届けてくれたはずだ。【山内崇章】



