<楽天5-7ソフトバンク>◇5日◇Kスタ宮城

 ソフトバンク小椋真介投手(27)が、気迫の投球で今季2勝目を手にした。9回。同点に追い付かれ、なおも2死一、二塁とサヨナラのピンチで登板。打席にはリーグ打点王のフェルナンデスを迎えたが、150キロを超す直球で押しまくり、最後は132キロのスライダーで一邪飛に仕留め、ピンチを脱した。

 続投した延長10回には、四球と安打などで1死二、三塁。今度は自らサヨナラのピンチを背負ったが、鉄平をスライダーで空振り三振。さらに代打で登場した福岡工大付(現福岡工大城東)時代の同学年チームメートの中島を、チェンジアップで投ゴロに打ち取った。「一塁も空いていたから、カウントが2-3になってもチェンジアップが放れた。ギリギリの紙一重でしたね」。強まった雨の影響で、マウンドは滑りやすい状況だった。にもかかわらず、小椋はしっかり心と球を操り、ここ一番で実現した「同級生対決」を制した。延長11回にチームが勝ち越し、今季2勝目を手にした。

 4月29日からの9連戦では7試合中、5試合に登板。1勝2ホールドと、手薄な中継ぎ陣の中でまさに“孤軍奮投”の活躍を見せる。「自分に勝ちが付いたのもうれしいけど、今日はチームにとってとても大きい1勝でしょ」。プロ10年目で自己最高のシーズンを送る左腕は、最後まで「フォア・ザ・チーム」の精神を忘れなかった。【石田泰隆】