<広島2-4阪神>◇14日◇金沢
新井が古巣から初の一発を放ち、試合を決めた。怪しい雲行きの金沢対決で飛び出した値千金の4号2ラン。新井が打点を挙げればこれで16連勝、頼りになります。新井はこれで現行の12球団からすべて本塁打を打った。下柳はハーラートップタイの5勝目。ベテランの投げる水曜はやっぱ負けまへん。桧山も今季初スタメンでいい仕事で、ホンマ、言うことおまへん!
手ごたえは十分だった。球場を、風を、そしてファンを味方につけた。阪神に移籍後、広島戦7試合目でついに出た古巣からの初アーチ。どうしても欲しかった追加点を呼ぶ1発は、通算200号まであと2本と迫り、12球団すべてを制覇する今季第4号。黒星を喫した翌日、新井のバットがまたしてもチームを勝利に導いた。
7回2死三塁。平野の内野ゴロで勝ち越しに成功した直後だ。広島大竹の真ん中に甘く入ったカーブを振り抜いた。打球は降り始めた雨に逆らうように金沢の夜空に上がる。両翼91・5メートルの狭い球場に軽々と放り込む2ラン。甲子園の浜風と同じく、ライトからレフト方向に吹く日本海からの風にも後押しされた。
新井
自分の状態としてはよくはなかったんですが、チャンスだったし、三塁ランナーもいたから何とかもう1点と思った。気持ちを入れて入りました。シモさんも頑張って投げて下さっていたので、打ててうれしいです。
9打席ぶりのヒットだった。前夜、アニキと慕う金本が、負け試合の中で400号の偉業を達成した。一方の新井は4打数無安打。打てなかったことが敗戦に結びつき、鉄人の記録も祝えなかっただけに、どうしても勝ちたかった。
相手が広島だという過剰な意識もなくなっていた。広島2カード目のビジターゲーム。だが北陸での3連戦とあってか、前回のような毎打席のブーイングはなかった。逆にスタンドを黄色く埋め尽くした阪神ファンの声援に後押しされた。前日の試合前には、かつて同じユニホームに袖を通した仲間やスタッフらと笑顔であいさつ。球場関係者からのサインの求めにも、虎の一員として応じていた。
古巣からのここぞの1発に指揮官も目を細めた。「この(狭い)グラウンドで風があると何が起こるか分からない。あの2ランは大きかった。1点だけなら下柳をもう1回行かそうと思っていた。3点差になったからな」。新井の追加点があったからこそ、JFKへの投手リレーも実現した。
これで新井が打点を挙げた試合は今季負けなしの16連勝だ。「(投手陣が)しっかり抑えてくれてますからね」と謙虚な姿勢も変わらない。狙うは目の前のカード勝ち越しだ。「明日です、明日」。不敗神話を続ける不動の3番が、つかの間の勝利の余韻に浸り、またしっかり手綱を締め直した。【福岡吉央】



