<中日5-4西武>◇17日◇金沢

 中日山本昌は天を仰ぎ、そしてうつむいた。6回2死、中村に投じたカーブは左翼スタンドにはじき返された。この日、3本目の本塁打を浴びたところで落合監督から交代を告げられた。1試合3被弾は05年7月26日横浜戦、同じく地方の山形球場で打たれて以来、3年ぶりの屈辱だった。5回2/3を7安打4失点。5月21日楽天戦以来、白星から見放されていたベテラン左腕はまた勝てなかった。

 「球場が広くないので本塁打は意識していたのですが、3本も打たれてはどうしようもないですね…」。この試合まで45試合で17勝(15敗)と相性のいいはずの地方球場だったが、この日は両翼91メートルの狭い金沢球場に苦しめられた。

 初回に3者連続三振を奪うスタートを切った。ストレートは最速141キロを計測するなど球は走っていた。だが、2回、中村に高めに浮いた変化球を右中間スタンドに運ばれて同点とされると、5回には栗山にスライダーをバックスクリーンまで飛ばされた。この2ランで1-3と勝ち越しを許し、最後は中村に2本目を打たれてKOされた。

 これで今季3勝目となる通算196勝をあげてから4試合連続で勝ち星なし。通算200勝へのカウントダウンはストップしたままだ。【鈴木忠平】