延長戦を制した阪神だが、ここまで苦戦したのは伊藤将を早々と代えざるを得なかったところに行き着く。阪神ベンチの勝負手というものでなく、先発左腕の不調は誤算だった。

序盤の攻撃は理想的だった。1回に森下の2点打、佐藤の2ランで先制したが、その裏すぐにヤクルト2番増田の2点本塁打で追い上げられる。阪神は2回にも佐藤の適時二塁打、大山の犠飛で加点した。

ただ伊藤将は、あまりお目にかかったことのない抜ける球を投げるなど、なかなか兆しが見えなかった。阪神ベンチも我慢がならなかったようで、3回裏から2番手・神宮にスイッチした。

3回表にそのまま9番伊藤将を打席に立たせたのは、自軍のコマを使いたくなかったからで、その裏からリリーフ投入は仕方がなかった。そこから継投でつないでいくのは、阪神らしい試合運びと言えた。

延長11回までもつれたという見方もできるが、果たしてそうだろうか。終盤のヤクルトの攻撃をうかがっていると、とても是が非でも勝ちにいくという野球には見えなかった。

逆に阪神は、目の前のゲームの勝ち負けに死に物狂いになっている状況で、勝てるチャンスにも若手育成を優先しているのか、そのヤクルトの戦いぶりに救われたと言えるのかもしれない。

阪神は前日21日の対DeNA戦(甲子園)でも、3回途中で先発ルーカスからの継投に踏み切った。それはこの日の伊藤将からのリレーとは意味合いが違っている。

ただここから村上、才木、高橋の3本柱が投げる試合以外は、早めにリリーフをつぎ込んでいく投手起用になるのだろう。あとは目の前の試合をモノにしていくだけだ。

(日刊スポーツ評論家)