<横浜0-7阪神>◇4日◇横浜

 シーズン100勝だって夢じゃない!

 首位を独走する阪神が横浜に快勝し、連勝を4に伸ばした。6試合連続2ケタ安打となる16安打で圧倒。4番金本知憲外野手(40)が9回に通算350二塁打を放つなど、3安打猛打賞で猛虎打線を引っ張った。先発のベテラン下柳剛投手(40)が7回無失点の好投で8勝目を挙げた。折り返しの72試合目で今季最多更新の貯金25。7月負け知らずの勢いで歴史的快進撃は続くぞ。

 頼れる男の快音から猛攻だ。2点リードの9回。先頭打者の金本が左中間に流し打った。プロ通算350二塁打のメモリアルヒット。ここから怒とうの攻撃が始まった。林が中前適時打、鳥谷が四球、矢野が左前適時打で続き、バルディリスの二ゴロの後に代打桧山が右前2点適時打を放った。結局、打者10人の攻撃で一挙5点を奪って試合を決めた。

 金本は「(JFKの)3人を休ませたが、特に水、木曜日にこういうのをしていかなアカン。6連戦の最初の方に」と投手陣を気遣う余裕を見せた。アニキが引っ張る猛虎打線は、これでリーグ戦再開後、6試合連続で2けた安打を記録。この日は今季最多タイの16安打を放った。岡田監督は「みんな普通のことが普通にできている。それぞれの役割をな。先頭打者と言っても、イニングごとで違うわけだしな」。最終回は金本が先頭の仕事を果たした。史上26人目の二塁打記録にも「知らん」と素っ気ないが、追加点を取りにいくため突破口を開くことが重要だった。

 これで72試合を消化し貯金25。48勝23敗1分けの数字はとてつもなく大きな可能性を秘めている。03年の星野阪神、05年の岡田阪神超えだ。両年は球団最多87勝で優勝を飾った。残り72試合で、40勝32敗で新記録達成となる。今のペースが落ちても、射程圏内。開幕からの積み重ねが、球団史を塗り替えるビッグチャンスを生んだ。

 ただ岡田監督は手綱を緩めるはずもない。「まだどうってことない。今年はオールスターも遅いし、とにかく7月。連戦があるし、どれだけみんなが頑張るかや」。過去最強タイガースを超えるか。大きな夢を残して、折り返しを通過した。