<中日4-2巨人>◇4日◇ナゴヤドーム

 重い空気を振り払った。0-0の6回1死一、二塁。中日和田一浩が内海の初球をたたいた。「気持ちで受けたらダメだと思った。ストライク周辺ならいこう」。見逃せばボールのつり球を左翼フェンス直撃の先制適時二塁打。8回には11試合ぶりの9号ソロでダメ押し。2試合連続猛打賞の大暴れで「阪神戦でみんな悔しい思いをした。これで吹っ切れてくると思う」と話した。

 もう1人の立役者は、20歳の平田だ。和田の先制打の1死後、6回2死二、三塁、120キロの外角チェンジアップを右中間に運んだ。6月14日オリックス戦以来11試合ぶりの先発で値千金の2点適時二塁打。初対決の内海を打って「ファームの交流戦で対戦した(巨人の)金刃さんのイメージで打席に入った。変化球を待っていた」と話した。

 指揮官の決断がはまった形だ。この日は左腕内海に、右打者9人を並べた。今季3度目の「右布陣」で勝利を呼んだのはレギュラー李に代わる平田。落合監督は平田先発について「内海だからだ。知らないもの同士のほうがいいだろう」と説明した。指揮官の期待に応えた平田は「もう先輩方(森野、井端)が帰ってくるし必死でアピールしないと生き残れない」と気合を入れていた。【益田一弘】